貿易条件CFRで商品を輸入する場合、実際にかかる海上運賃や諸費用はすでに商品単価に含まれているため、輸入バイヤーは「FOB価格+海上運賃・諸費用」と「CFR価格」を比較し、その価格が適正であるかどうかを判断する必要がある。
FOB価格とCFR価格のコスト比較手順
1)海外のメーカーに問い合わせて、FOB価格とCFR価格の両方で見積りをとる。
2)通関業者、フォーワーダー、乙仲業者等へ問い合わせ、海上運賃の見積りをとる。
3)FOB価格とCFR価格とのコストを比較する。
4)相対的にメリットのある条件を選択し発注する。
それでは、バンコク(タイ国)のメーカーから製品Aを20個、20FTコンテナで輸入する場合のFOBとCFRの価格を比較してみよう。
※為替レート:1ドル=95円で換算
見積価格「FOB バンコク港」
※FOB (Free On Board)とは、「本船甲板渡し条件」のこと。(輸入者が運賃を負担)
メーカーから出てきた見積価格が「製品A=US$1,000/個(条件:FOB BANGKOK」の場合の原価計算方法は以下の通り。
商品代金:
製品A(US$1,000) x 20個 = US$20,000 x 95円 = 1,900,000円
運賃・諸費用:
海上運賃(20FTコンテナ):US$500 x 95円 = 47,500円
BAF(燃油サーチャージ):US$90 x 95円 = 8,550円
YAS(円高損失補填料金):US$60 x 95円 = 5,700円
CHC(コンテナ取扱料):11,000円
DOC(書類作成費用):2,000円
D/O Fee(デリバリーオーダー発行手数料):5,000円
合計:79,750円
1,900,000円(商品代金)+79,750円(運賃・諸費用)=1,979,750円
製品Aの仕入原価=98,988円/個
見積価格「CFR 東京港」
※CFR(C&F=Cost and Freight)とは、「 運賃込み条件」のこと。(輸出者が運賃を負担)
メーカーから出てきた見積価格が「製品A=US$1,050/個(条件:CFR TOKYO」の場合の原価計算方法は以下の通り。
商品代金:
製品A(US$1,050) x 20個 = US$21,000 x 95円 = 1,995,000円
運賃・諸費用:
海上運賃(20FTコンテナ):商品代金に含む
BAF(燃油サーチャージ):商品代金に含む
YAS(円高損失補填料金):商品代金に含む
CHC(コンテナ取扱料):11,000円
DOC(書類作成費用):2,000円
D/O Fee(デリバリーオーダー発行手数料):5,000円
合計 18,000円
1,995,000円(商品代金)+18,000円(運賃・諸費用)=2,013,000円
製品Aの仕入原価=100,650円/個
FOBとCFRのコスト比較結果
FOB バンコク港=1,979,750円(製品Aの仕入原価=98,988円/個)
CFR 東京港=2,013,000円(製品Aの仕入原価=100,650円/個)
買主は上記の価格をもとに、FOBとCFRのメリットを熟考する。
買主がFOBを選ぶメリット
1)少しでも安いほうが良い、とにかくコストを重視。
2)価格も安いし、貨物の到着スケジュールも調整しやすい。
3)国内の保険を手配すれば、もし事故が起きた場合でも安心。
買主がCFRを選ぶメリット
1)このくらいの価格差なら、船舶手配や手続きの手間を省きたい。
2)資金負担を少しでも軽減したい。
コストや手間などを考慮しながら、自社にとってメリットのある条件で発注する。
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